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2005/08/02

SWAN SONG レビュー

Le.Chocolat meets FlyingShine 発表の18禁ADV『SWAN SONG』完全クリアしました。

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制作メインメンバーはSMLで『CARNIVAL』を作成した面々で、原画はアニメ調の塗りが魅力の川原誠氏、シナリオは人間の暗部に迫る意欲的な作品を作り続ける瀬戸口廉也氏。前作『CARNIVAL』は発売後、口コミで佳作として広まった隠れた名作といえます。可愛い絵柄と裏腹に、重いテーマを扱った作品でした。今作品も前作同様に18禁でしか表現しえない重いテーマを扱った作品と言えるでしょう。

簡単なあらすじはというと・・・

雪振るクリスマスの夜、山間の地方都市を文明を全て破壊するかのような超巨大地震が襲います。かろうじて生き残った生存者たちは、被災地で生き残る道を探す事になります。集団生活をするもの。神にすがるもの。簒奪するもの。極限状態の中で人間の内にある欲望や怠惰や恐れが顔を出し、平常時の常識やルールを狂気のうちに塗り替えてゆくことになります。

ノーベル賞作家のゴールディングの処女作『蝿の王』を私は連想しました。つまり極限状態の中に生まれる儚い新秩序とその崩壊。社会秩序が如何に容易に覆るかを風刺した作品です。まさに「SWAN SONG」も同じテーマを扱っているといえると思います。

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さてタイトルの「SWAN SONG」の意味はというと・・・単純に訳すと「白鳥の歌」。白鳥の声はその容姿に見合わず醜いものです。しかし白鳥が死ぬ間際に放つ声は美しく歌のように聞こえるという言い伝えがあるそうです。その意味が転じて「SWAN SONG」とは死に際の一言、つまり『辞世の句』を意味しています。(英和辞典で調べてみましょう)

極限状態の中、死に直面した人が心のうちから叫ぶ「SWAN SONG」。それがはたして美しいものであるのか、醜いものであるのか、儚いものであるのか、力強いものなのか。人の一生を凝縮したその瞬間に、淡々とスポットライトをあてています。そこに死にいたることへの賛美はなく、ただ「死」という現象があるのみでした。

「死」は劇的でもなく予定調和のように人に降りかかる。そんな無常さを痛烈に認識しつつ、それならば、どんな不条理であっても、どんなに惨めであっても、最後まで生きながらえてやろうじゃないかという生への渇望が見て取れました。この点は前作『CARNIVAL』と根幹のテーマで同じものであるなと感じました。

感動があるわけでもなく、驚きを与えてくれるわけでもない、一般ウケは殆ど望めないシナリオになっています。しかし、このようなテーマをもった作品こそが18禁市場でのみ体験できるニッチな楽しみと言えるかと思います。人によっては今作品の評価は0点になりうるかもしれませんし、今作品を通して何かを感じ取った人ならば評価は自ずから高くなるのでしょう。

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シナリオに対する苦言も申しておきます。プレイした誰もが感じる事かと思いますが、一画面に表示される文字数が多すぎます。これは立ち絵を使わず、カットインを多用した演出が原因になっていると思います。立ち絵はそのまま視覚的な説得力を持ちえますので、細かい人物描写を省く事ができます。したがって会話の掛け合いに重点が置かれることになり、短いセンテンスでのやりとりが増えることになります。しかし今作品では、紙ベースのメディア(小説など)と同様の状況描写を行っています。

人間がひと目で認識しうる文字数は5~9文字であるそうです。したがって新聞の見出しは殆どが5~9文字に収まるようにつけられているそうです。それ以上の文字数は読者に負担をかける事になります。もう少し情報伝播方法について考えなおした方が良いと思いました。

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さてシナリオ以外はといいますと・・・

美麗のCGはかなりレベルが高いかと思います。原画の川原誠氏は今作品用に絵柄を少し変えてきているようです。アニメ調のただ可愛らしいだけの絵柄ではなく、シャープで大人な絵柄になっていると感じました。

音楽は及第点でしょう。悪くも無くよくも無く。TrueENDの歌曲はちょと苦笑いしてしまいました。

システムはそれなりです。分岐も少ないので凝ったシステムはいらないですしね。右クリックをおしてもサブメニューがでないのは少々不便に感じました。右クリックでシステムサブメニューが開くというのは、ADVゲームシステムの文法になりつつあると思っています。システムにおいては変にこらずに本流に従ってくれたほうが良かったと思いました。

総じて『SWAN SONG』は人を選ぶゲームです。18禁でしか味わえない体験を与えてくれる数少ないゲームです。少なからず私にとっては印象に残るゲームでした。

ちなみに今作品も「Game-Style」で4600円でモニター購入です。モニター対象作品が増えるよう宣伝しちゃいます。



【関連記事:Thank Thee!: SWAN SONG 廉価版 2008年7月31日発売予定!
http://kyokot.air-nifty.com/thank_thee/2008/06/swan_song_20087_18c6.html

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