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2005/06/26

スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐

7月9日の全国拡大ロードショーに先駆けて、先々行ロードショーで「スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐」を観てきました。

とりあえず最初に一言書いておきますが、エピソード1~6の中で一番面白いです。スターウォーズファンなら納得なできかと思います。ファンでなくとも十分楽しめるかと思います。

----以下、おおよそのストーリーラインがわかってしまうネタバレを含みますので注意してください----

----あと、脱線しまくりで映画の評論でもなんでもないので注意してください(笑)----

後期三部作の主人公ルーク・スカイウォーカーの父であるアナキン・スカイウォーカーが、何故にダークサイドに堕ち、いかにしてダースベイダーとなったのかを描く前期3部作の完結編になります。

エピソード1・2ではアナキンがジェダイの若き才能として芽をだし成長してゆく様を描いていました。同時に彼の奥底に眠る自尊心・傲慢の感情が見え隠れするというものでした。

その伏線を色濃く残した形で今作は始まります。マスター(師匠)であるオビ=ワンを敬いながらも反発を抱くアナキン。パルパティーン議長との親交を快く思わないジェダイ評議会への苛立ちは募るばかり。そんな負の感情に纏わりつかれたアナキンを憔悴させる或る出来事。そこに蛇が忍び寄り囁く---暗黒面への誘い。

善悪の境界線上を苦悩しながら歩むアナキン。そんな彼を暗黒面へと引きずりこむことになる重大な事件が起こる。彼が善の道を踏み外した原因は意外にも、否、非常に人間らしい感情の故でした。

そして彼は暗黒面に堕ちる・・・

奈落へ突き進むが如く堕ちてゆくアナキン。彼が暗黒面に堕ちてまでして得ようとした目的は、その手段にとって代わられる。一度傾いた善悪の天秤は元に戻らない。

私はハッピーエンドや勧善懲悪の物語も好きだけれど、それ以上に皮肉と不条理に塗れた物語も好きなのです。今回のエピソード3がまさにそれ。アナキン・スカイウォーカーは単純に悪に堕ちるわけではなく、苦悩しながらも自らの意思で悪の道を選択してゆくのです。その決意の根源は純粋なものであったはずなのに、その結果は全てを嘲笑うかの様な最悪のものに終ります。まさに皮肉、まさに不条理。しかし彼が招いた必然でもあるのです。そんなやるせなさが漂う幕切れでした。

人間は少なからず美醜両面を抱いているはずです。その表裏すべてを以って人間らしさをが語られるべきです。その意味で今回の主人公アナキン・スカイウォーカーは、まさに人間らしく人の道を踏み外したという事でしょう。

エピソード4~6では彼の息子ルークが同じく善悪の天秤にかけられることになります。ルークは悪に堕ちずにジェダイの道を貫く事になります。ルークとアナキンとを善悪に隔てた原因はなんだったのでしょうか。

犯罪学という学問があります。いかに人間は犯罪を犯すように至るのか。犯罪者はどのように生まれるのか。社会学的見地、遺伝的見地、様々な学説があります。一時期は生来的な特徴、つまり骨格や血から犯罪傾向を分析する説が主流になったこともあります。ご存知の通り、その熱が過激化し優生学が生まれる事になります。その結果、人種差別という悲劇が起こるわけです。現在、このような説は主流ではありません。その名残で血液型性格判断があり、日本人の大半が何故か信奉しているのです。その暗い背景を知る事もなく。(参考の読み物

大きく脱線しましたが、人は生まれながらにして犯罪者になるわけではありません。それでは社会学的見地だけで語れるでしょうか?。つまりスラム街に生まれたからといって必ず悪に陥るのでしょうか?。自信以って否と答えられるでしょう。生来的傾向よりは幾分影響が大きいものの、人は環境のみで犯罪を起こすわけではありません。

結局、生来的気質・社会的環境、様々な原因が相俟って人の行く道に影響を及ぼす事になります。しかし最後には各人の判断により人の道は選択されるのです。スターウォーズにおけるアナキンとルークも同様です。彼らの道程を振り返った結果、鏡面を挟んだ表裏のような善悪の物語が紡がれたに過ぎません。

人は容易く善悪の間に横たわる河を渡り彼岸へと踏み出す事ができるのです。日常のすぐそばにある狂気、悪、犯罪。その一歩を踏み出すのは運命論ではなく、統計論ではなく、各人の人間らしい判断によるものなのです。

キリスト教神話体系では堕天(フォーリングダウン)についての話が幾つかあります。つまり天使が堕天使に堕ちる様を描いていますが、スターウォーズはまさにこれに近い。アナキンはジェダイ(天使)からシス(堕天使)に堕天するのわけです。スターウォーズに宗教性を感じるのは、この構図があるからに他ならないと思います。

そして宗教が語る内容は現実の問題を元につくられています。純粋だったものが一瞬にして悪に染まる様は大昔から存在し恐れられていたのです。それが容易に起こる事も周知だったわけです。

善悪という薄っぺらい虚偽のカーテンで隔たれたあやふやな対なる概念。そのうつろいやすさ、人の心の脆さ、そんな普遍的で原初なテーマを扱っているからこそ、スターウォーズはこんなにも過熱的に愛される事になったのではないでしょうか。スターウォーズはアメリカが生んだ一つの神話といっても良いでしょう。

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先々行上映で映画『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』を観た。シリーズ完結編で、アナキンがダース・ベイダーになるまでが描かれている。 正直、エピソード1、2がイマイチだったのであまり期待していなかった。しかし、エピソード3は最初から最後まで、全くと言えるほど無駄がない濃い映画だった。特に、イントロでは展開が早い早い。いつもの"巻紙"が終わると、いきなり宇宙戦で豪華なCGをたっぷり堪能でき、続いてライト・セーバー戦で前作からの展開が一気に加速する。前作までのおちゃらけシーンやお子様向けのキャラ... [続きを読む]

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